無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
「離しなさいっ!私はシュトルツ国最大貴族のブリュッケル公爵家の娘よ!?
汚い手で触らないでっ!!」
馬車が王宮に到着するなり、連行されていたクリスティーネが近くにいる者に罵声を浴びせている。
その前で歩いているブリュッケル公爵であろう人は今までの悪事がばれ、領地も爵位も奪われたショックからか青い顔のまま下を向き歩いている。
その様子をユアンと共に王宮の廊下から見ていると、複数人の中からアレクシスの姿を見つけ思わず顔がほころんだ。
元気そうでよかったーー
暫く見つめているとクリスティーネがこちらに気づき目を見開いた後、憎悪に満ちた顔をした。
「わー、女性は怖いね、普段のおしとやかで気品溢れる顔だけじゃなくあんな顔も出来るんだね」
感心した。と言ったようなユアンの言葉を聞きながら、ティアナは反らすことなくじっとクリスティーネを見続ける。
二人の後ろに前回ティアナを襲ったときに捕らえた荒くれ者の頭と執事が続き、やがて王宮の中に入っていった。
「じゃあ、俺は謁見の間で裁きを見届けてくるよ」
【はい、いってらっしゃいませ】
片手を軽く振り去っていくユアンの姿を見えなくなるまで見送り、ティアナは空を仰ぎ見た。
二国間を巻き込んだ騒動が無事に終息に向かうように、そう願いながら。
汚い手で触らないでっ!!」
馬車が王宮に到着するなり、連行されていたクリスティーネが近くにいる者に罵声を浴びせている。
その前で歩いているブリュッケル公爵であろう人は今までの悪事がばれ、領地も爵位も奪われたショックからか青い顔のまま下を向き歩いている。
その様子をユアンと共に王宮の廊下から見ていると、複数人の中からアレクシスの姿を見つけ思わず顔がほころんだ。
元気そうでよかったーー
暫く見つめているとクリスティーネがこちらに気づき目を見開いた後、憎悪に満ちた顔をした。
「わー、女性は怖いね、普段のおしとやかで気品溢れる顔だけじゃなくあんな顔も出来るんだね」
感心した。と言ったようなユアンの言葉を聞きながら、ティアナは反らすことなくじっとクリスティーネを見続ける。
二人の後ろに前回ティアナを襲ったときに捕らえた荒くれ者の頭と執事が続き、やがて王宮の中に入っていった。
「じゃあ、俺は謁見の間で裁きを見届けてくるよ」
【はい、いってらっしゃいませ】
片手を軽く振り去っていくユアンの姿を見えなくなるまで見送り、ティアナは空を仰ぎ見た。
二国間を巻き込んだ騒動が無事に終息に向かうように、そう願いながら。