無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
謁見の間にはフライハイト国、国王陛下、王妃にユアン、ブリュッケル公爵にクリスティーネ、荒くれ者の頭と執事の男、そしてシュトルツ国の騎士とアレクシスがいた。

クリスティーネ以外の者は今から与えられる罪に怯えているが、クリスティーネは真っ直ぐ国王を見つめ、反論の機会を狙っているようだった。

「シュトルツ国第一王子アレクシス殿下、並びに騎士達よ。
この度は罪人の護送、大義であった」

国王の言葉に一斉に頭を下げる。

「ブリュッケル公爵並びにシュトルツ国で裁きを受けた罪人達よ、我が国の婚約者候補を襲った罪をフライハイト国の名においても償ってもらおう」

「っ……お言葉ですが国王陛下!
貴殿方はあの女に騙されております!!」

あろうことか国王はの言葉に食って掛かったクリスティーネにブリュッケル公爵達は息を飲む。
アレクシスは冷たい眼差しでクリスティーネを見下ろしたが、彼女は国王を睨み付けるようにしておりこちらにはまったく気づいていないようだった。

「ほう?我々が騙されていると?」

「その通りでございます!私は知っております。
あの舞踏会の日の出来事はあの女の考えた茶番劇であったと!!」

自信満々に言い放ったクリスティーネの言葉に全員が呆れ頭を振った。
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