無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
王宮から程近い大きな広場の、たまに劇などが披露されているその舞台上にアレクシスとユアン、複数の騎士達と跪かされたクリスティーネ達。
舞台下には国民達が所狭しと集まり舞台上を見つめていた。

「大まかに知っている人も多いだろうけど、集まった国民のみんなにフライハイト国とシュトルツ国の間で起こった婚約者候補暗殺未遂についての真実を伝えたいと思う」

ユアンの言葉に集まった人々がざわついた。

「暗殺未遂……?未だに行方不明なんだろ?
もうお亡くなりになったんじゃ……」

「真実って、全ては権力を振りかざしていたあの公爵家が悪いんじゃない」

「それを知らずにいたシュトルツ国にも責任がある。
騒動に巻き込まれた婚約者候補はもう戻ってこないんだぞ?」

至るところで聞こえてくる国民の声にティアナは舞台の裏で静かに聞きながらそっと目を瞑った。
ユアンが静粛に!!と声を上げているが、一向に静まる気配がない。
徐々にざわめきが大きくなりだし、少しだけ様子を見ようかと身を乗り出そうとしたときにアレクシスのよく通る声が聞こえてきた。
< 145 / 218 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop