無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
「では、襲撃されたのもわざとなんですか?」

「そう。
襲撃する場所、日時もわかっていたからわざと襲われて実行犯のトップ二人を捕まえてもらったんだよね」

市民からの問いかけに答えたユアンの言葉に執事が顔を上げ、何故……。と呟いていた。
秘密裏に実行されたであろうその計画は、動物達によってティアナに筒抜けだったとは誰も思うはずもなかった。

「ちなみに、シュトルツ国へ抗議や責任追求の文を送ったのは本当だけど、それはブリュッケル公爵家を裁きやすくするためで同意のもと送らせてもらった」

その言葉に再び国民はざわつきだす。
仲違いをしたのかと思われていた国家間の抗議文が同意のもとだったのなら、険悪になるのではないかと思われていた関係が良好のまま、なんの心配もいらなくなるからだ。
そんなざわつきの中、あの……。と一人の国民が小さく声を上げた。

「今回の件、婚約者候補が侮辱されたことももちろん関係があるんでしょうが……大半がシュトルツ国での不正を正すための騒動だったようにも思います。
……何故フライハイト国がここまで大事になってまで協力されたのでしょうか?」
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