無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
「友好条約第十二条、国で対処不能な事態が発生したとき、全面的な協力のもとその事態の終息に取り組み国の平和、安定を保つ事とする。

今回の事柄はシュトルツ国最大貴族であるブリュッケル公爵の領での横暴な振る舞い、その娘、クリスティーネ嬢の婚約者候補への逆恨みに対する問題が当てはまっていた。
……恥ずかしながら我が国だけで実行犯を捕まえ問いただすことは時間がかかり、領地の者もティアナも危険にさらすことになることがわかっていた。
よって、フライハイト国に協力を要請し最低限の期間によってブリュッケル公爵達を捕らえることに成功した」

そんな条約が……?とざわつくが、先程とは違う国民が再び声を上げた。

「しかし、婚約者候補はこの騒動で行方不明になっています!
一人犠牲にしてまで起こさないといけない騒動だったのでしょうか!?」

そうだ、婚約者候補はどうした?
まだ行方不明だと聞いてるぞ!?
国民を犠牲にしたのか!?

再び騒ぎになりそうになったその時、舞台上に今までいなかった女性が現れ国民は訝しげな視線を投げ掛けた。
やがて女性が舞台の中央で止まるとユアンが、俺とアレクシスの婚約者候補のティアナ嬢だ。とティアナを紹介した。
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