無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
「【クリスティーネ嬢と執事の身分の低い者への横暴な振る舞い、明らかになった領民へ課せられた多大な税金を目の当たりにして、どうしても許せませんでした。
私一人が囮になることがきっかけとなり、ブリュッケル公爵家に正しい処罰を与えるチャンスが訪れるのなら、本望でした。
……殿下方とお話しし、命の危険はない手はずでした。
本来なら襲われた直後にフライハイト国の方に保護され、私の無事を皆さんに知らせると同時に公爵方の処罰を行う予定でしたが、アクシデントにより濁流にのみ込まれ、暫し殿下方にも音信不通となっておりました。
万が一にも私が命を落としていたら先程仰っていた方がいらっしゃった通り、“貴族の罪を暴くために国民を犠牲にした”となり、両国民が互いに不信感を持ち続け、いつの日か仲違いをしてしまうことになっていたと思います】」
ティアナの言葉をユアンを通して聞いている国民は静かに、じっとティアナを見つめていた。
「【私は今、無事にこの場にいます。
誰のためにも犠牲になっておりません。
どうか皆さんが不信感を拭いさり、両国共に手を取りふたたび笑いあえる日が来ることを望んでいます。】」
その言葉を最後にティアナは深々と頭を下げた。
真剣に話を聞いていた国民の一人がパチパチと手を叩くと、やがてそれが周りに広がり大きな拍手となった。
私一人が囮になることがきっかけとなり、ブリュッケル公爵家に正しい処罰を与えるチャンスが訪れるのなら、本望でした。
……殿下方とお話しし、命の危険はない手はずでした。
本来なら襲われた直後にフライハイト国の方に保護され、私の無事を皆さんに知らせると同時に公爵方の処罰を行う予定でしたが、アクシデントにより濁流にのみ込まれ、暫し殿下方にも音信不通となっておりました。
万が一にも私が命を落としていたら先程仰っていた方がいらっしゃった通り、“貴族の罪を暴くために国民を犠牲にした”となり、両国民が互いに不信感を持ち続け、いつの日か仲違いをしてしまうことになっていたと思います】」
ティアナの言葉をユアンを通して聞いている国民は静かに、じっとティアナを見つめていた。
「【私は今、無事にこの場にいます。
誰のためにも犠牲になっておりません。
どうか皆さんが不信感を拭いさり、両国共に手を取りふたたび笑いあえる日が来ることを望んでいます。】」
その言葉を最後にティアナは深々と頭を下げた。
真剣に話を聞いていた国民の一人がパチパチと手を叩くと、やがてそれが周りに広がり大きな拍手となった。