無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
広場での騒ぎが収まりフライハイト国の王宮に戻ってきた後、ティアナは目の前を歩くアレクシスの袖をくいっと引いた。
その感覚に気付きアレクシスが振り返ると、ティアナは視線をさ迷わせながらゆっくり口を開いた。
【殿下……さっきは、庇っていただいてありがとうございました】
「いや、結局ヴォルフに助けられたがな」
ぶっきらぼうに言うアレクシスにティアナはまだ視線をさ迷わせる。
何度か口を意味もなく開いたり閉じたりして、やがてやっと視線を合わせ揺れる瞳でアレクシスを見上げた。
【それだけじゃなく……あの、化け物だと、言われたときに……】
「ああ……ティアナが動物を操る化け物などと、そんなことあるわけがないだろうに」
執事の言葉を思い出し不快そうに眉を寄せるアレクシスの服の袖を握りしめ、そんなこと、あるんです……。と口を動かした。
【私は、化け物なんです……】
「……ティアナ?」
【私は声が出せない代わりに、動物と話せるんです。
動物の声も聞けて、私が助けを呼べば、どこからでも来てくれて……それが、操っているように見えるみたいで、化け物って……家族にもそれで、捨てられて……】
アレクシスが真剣に聞いてくれているのがわかるが、反応が怖くて徐々に顔が下を向いてしまいそうになる。
袖を握る手も震えてしまうが、最後まで話そうとティアナは思いきって顔を上げ真っ直ぐアレクシスを見つめた。
その感覚に気付きアレクシスが振り返ると、ティアナは視線をさ迷わせながらゆっくり口を開いた。
【殿下……さっきは、庇っていただいてありがとうございました】
「いや、結局ヴォルフに助けられたがな」
ぶっきらぼうに言うアレクシスにティアナはまだ視線をさ迷わせる。
何度か口を意味もなく開いたり閉じたりして、やがてやっと視線を合わせ揺れる瞳でアレクシスを見上げた。
【それだけじゃなく……あの、化け物だと、言われたときに……】
「ああ……ティアナが動物を操る化け物などと、そんなことあるわけがないだろうに」
執事の言葉を思い出し不快そうに眉を寄せるアレクシスの服の袖を握りしめ、そんなこと、あるんです……。と口を動かした。
【私は、化け物なんです……】
「……ティアナ?」
【私は声が出せない代わりに、動物と話せるんです。
動物の声も聞けて、私が助けを呼べば、どこからでも来てくれて……それが、操っているように見えるみたいで、化け物って……家族にもそれで、捨てられて……】
アレクシスが真剣に聞いてくれているのがわかるが、反応が怖くて徐々に顔が下を向いてしまいそうになる。
袖を握る手も震えてしまうが、最後まで話そうとティアナは思いきって顔を上げ真っ直ぐアレクシスを見つめた。