無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
「そろそろティアナとゆっくり話したくてね、今日は早めに仕事が終わるように頼んでおいたんだよ」
その言葉に首を傾げると、女将さんは目を細めた。
「……一時はどうなるかと思ったけど、元気になったようだね」
一時と言うのは瀕死の状態で見つかったときのことだろう。
騒動に決着もつき、アレクシスに動物と話せる秘密を打ち明けはしたが、そんな自分を受け止めてもらえる自信もなく、一方的に話して逃げるようにクヴェルに戻ってきた時も心配かけていた。
“心配かけてごめんなさい、もう大丈夫です”
「……本当によかったのかい?
アレクシス王子かユアン王子、どちらか好きだったんじゃないのかい?」
その言葉にティアナは目を瞑る。
浮かび上がってくるのは無愛想ながらも優しく愛情深いその人で……。
“大丈夫です、私はここで、動物達と暮らしていくのが幸せだから”
「とても大丈夫そうには見えないけどねぇ」
そんな顔してちゃ、説得力がないよ。と言われたが、近くに鏡がないのでどんな顔をしているかわからなかった。
戸惑うティアナに女将は小さく息をつき、王都ではまだティアナは婚約者候補のままらしいよ。と言うのでティアナは目を見開いた。
その言葉に首を傾げると、女将さんは目を細めた。
「……一時はどうなるかと思ったけど、元気になったようだね」
一時と言うのは瀕死の状態で見つかったときのことだろう。
騒動に決着もつき、アレクシスに動物と話せる秘密を打ち明けはしたが、そんな自分を受け止めてもらえる自信もなく、一方的に話して逃げるようにクヴェルに戻ってきた時も心配かけていた。
“心配かけてごめんなさい、もう大丈夫です”
「……本当によかったのかい?
アレクシス王子かユアン王子、どちらか好きだったんじゃないのかい?」
その言葉にティアナは目を瞑る。
浮かび上がってくるのは無愛想ながらも優しく愛情深いその人で……。
“大丈夫です、私はここで、動物達と暮らしていくのが幸せだから”
「とても大丈夫そうには見えないけどねぇ」
そんな顔してちゃ、説得力がないよ。と言われたが、近くに鏡がないのでどんな顔をしているかわからなかった。
戸惑うティアナに女将は小さく息をつき、王都ではまだティアナは婚約者候補のままらしいよ。と言うのでティアナは目を見開いた。