無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
着々と舞踏会の準備をしていたらしいナタリーに招待状が届いたことを知らせると、やっと来ましたか。という顔をしてティアナに用意していたというドレスを合わせていた。

ここから王都まで馬車で行くには一日ほどかかるので、舞踏会までの日数を考えると明日出ないと間に合わないとナタリーは少し怒っているようだった。

アレクシスにどんな顔をして会えばいいのか、あの手紙の意味はなんだったのか、ティアナが考えこみそうになる度に、女は度胸です。なるようになりますよ。とナタリーに言われた。

「ティアナ様はダンスを楽しんで、美味しいものを食べて、二人の王子を振るために舞踏会に行くんです。
何も難しく考えることも、気にすることもないんですよ」

励ましてくれているのだろうその言葉にティアナは苦笑し、ありがとう。と口を動かした。

服の中にあるネックレスを握り気持ちを落ち着ける。
これで会えるのは最後かもしれないと思うと寂しく感じるけれど、このまま会えないよりはマシだと、ティアナは気持ちを奮い立たせた。
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