無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
ユアンのエスコートはとても踊りやすく、楽しげにダンスをするのでティアナも次第につられて笑顔になる。

二人のダンスをみんなが遠巻きに見ているなか、ユアンはティアナの胸元で揺れながら光の当たり具合で色が変わる宝石が付いたネックレスに興味をもったらしい。

「この宝石……」

【あ、アレクシス殿下からもらった御守りで、返しそびれてまして……】

「御守り、ねぇ……」

ユアンの言葉に首を傾げるとユアンが、それはアイオライトだよ。と言った。

【アイオライト……?】

「そう、ついでに宝石言葉っていうのがあるんだけど知ってる?」

初めて聞いたそれに首を振ると、ユアンはティアナの耳に顔を近づけ、暫くして聞こえた言葉の意味に真っ赤になると、ユアンは楽しそうに笑った。

「ねえ、この前言ってた秘密はアレクシスに言ったの?」

【は、はい……でも……】

「じゃあ、このダンスの後にゆっくり話しておいで。
そしてさ、気持ちが決まったら」

俺のこと、きっぱり振ってねーー

目を見開いているとユアンとのダンスが終わり手が離れた。
それと同時にグイッと強く腰を引かれ慌てて後ろを振り返ると、そこにはアレクシスが不機嫌そうな顔をして立っていた。
< 166 / 218 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop