無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
執務室に戻り窓を開けるとすぐに近くにいた鳥を呼び寄せる。

ティアナに似た女性がいることを絶対に気づかせないでほしいこと、ティアナに絶対話さないでほしいことを伝えると鳥は一度だけ鳴いて飛び立った。
すぐに地面に降り立ち動物達の近くに行くと、また動物達が散らばり違う動物達のもとに向かった。

こうやっていると、声が聞けなくても動物達とコミュニケーションをとることも可能なのだなと、ティアナと出会う前までは知らなかったことに気づかされる。

「偶然宰相が見つけてきただけだったというのに……」

今となってはかけがえのない、ただ一人の女性となったティアナに出会えた奇跡に感謝をせずにはいられないと思いながら、アレクシスはナタリーを呼びアネッサを連れてくるように言った。

ティアナのために、そして自分のためにも早めにかたをつけようと、アレクシスは椅子に座り書類仕事に手をつけ始めた。

アネッサの言う“伝えないといけないこと”の予想をつけながら、目の前の仕事を片付けていった。
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