無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
その日を境にティアナの周りに動物達が集まってこなくなった。
中庭に行っても餌やり場に行っても、動物達はティアナの気配を察しているのか姿を見せない。
こんなことは初めてで中庭のいつもの場所にじっと座り待ってみるが誰も寄ってこなかった。
「ティアナ様、そろそろ儀式の説明のお時間です」
ナタリーの代わりに付くことになったメイドがティアナを呼びに来たのでゆっくり立ち上がり、名残惜しく感じながらその場を後にした。
儀式は大きく分けて三つある。
最初に行うのはシュトルツ国を建国した初代国王への御報告。
次に国民へのお披露目となるパレード。
最後にシュトルツ国に身も心も捧げる事を誓う婚礼。
この三つをこなして初めて婚姻を結べるようになっていて、最初の御報告の儀式はあと三日と迫っており順序の確認に余念がない。
何せ歩き方も歩幅も儀式のときに話す台詞もその間合いも、さらには一つ一つの動作に関する角度さえ決まっているので絶対に間違えないようにと何度も言われていた。
「たとえ声が出なくとも、初代国王様は全てお聞きになられています。
いいですか?一言一句間違わず、間合いもしっかり覚えるのですよ?」
【はい、わかりました】
三日間、儀式の動作をみっちり叩き込まれ、久々に疲労困憊となった状態で儀式の当日を迎えることとなった。
中庭に行っても餌やり場に行っても、動物達はティアナの気配を察しているのか姿を見せない。
こんなことは初めてで中庭のいつもの場所にじっと座り待ってみるが誰も寄ってこなかった。
「ティアナ様、そろそろ儀式の説明のお時間です」
ナタリーの代わりに付くことになったメイドがティアナを呼びに来たのでゆっくり立ち上がり、名残惜しく感じながらその場を後にした。
儀式は大きく分けて三つある。
最初に行うのはシュトルツ国を建国した初代国王への御報告。
次に国民へのお披露目となるパレード。
最後にシュトルツ国に身も心も捧げる事を誓う婚礼。
この三つをこなして初めて婚姻を結べるようになっていて、最初の御報告の儀式はあと三日と迫っており順序の確認に余念がない。
何せ歩き方も歩幅も儀式のときに話す台詞もその間合いも、さらには一つ一つの動作に関する角度さえ決まっているので絶対に間違えないようにと何度も言われていた。
「たとえ声が出なくとも、初代国王様は全てお聞きになられています。
いいですか?一言一句間違わず、間合いもしっかり覚えるのですよ?」
【はい、わかりました】
三日間、儀式の動作をみっちり叩き込まれ、久々に疲労困憊となった状態で儀式の当日を迎えることとなった。