無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
朝のまだ早い時間にアレクシスの自室の扉の前にいた。
ナタリーが扉をノックすると、入れ。と短い声が聞こえ、ナタリーに続いて室内に入ると、真剣な眼差しのアレクシスが立っていた。
「ティアナ、最近何か悩んでいるのではないか?
なにかあるのならきちんと話し合いたい」
その言葉に思わず視線をさ迷わせていると静かにナタリーが退室した。
すると突然手を捕まれてソファーに座らされ、驚いて目を見開いているうちにアレクシスは視線を合わせるように絨毯に膝をつき顔の高さを合わせ、大きな手を両頬に添えて固定した。
「話すときは俺の顔を見ろ。
躊躇いも誤魔化しもいらない、何でも話せ。
悩みを溜め込んだ挙げ句に俺から離れようとするな」
さ迷わせていた瞳を恐る恐るアレクシスに向ける。
静かな部屋の中顔を反らすことは許されなくなり、ティアナは時間をかけて思い悩んでいたことを口にした。
【声が出ない、欠陥品の私は……もう用済みですか?】
「……誰がそんなことを……」
ティアナの言葉にアレクシスは思いきり眉を潜めていたが暫くすると微かに目を見開き、そして鋭く目を細めた。
「アネッサか……」
その名前に胸がズキッと痛むが目を閉じてやり過ごし、そっと頷いた。
ナタリーが扉をノックすると、入れ。と短い声が聞こえ、ナタリーに続いて室内に入ると、真剣な眼差しのアレクシスが立っていた。
「ティアナ、最近何か悩んでいるのではないか?
なにかあるのならきちんと話し合いたい」
その言葉に思わず視線をさ迷わせていると静かにナタリーが退室した。
すると突然手を捕まれてソファーに座らされ、驚いて目を見開いているうちにアレクシスは視線を合わせるように絨毯に膝をつき顔の高さを合わせ、大きな手を両頬に添えて固定した。
「話すときは俺の顔を見ろ。
躊躇いも誤魔化しもいらない、何でも話せ。
悩みを溜め込んだ挙げ句に俺から離れようとするな」
さ迷わせていた瞳を恐る恐るアレクシスに向ける。
静かな部屋の中顔を反らすことは許されなくなり、ティアナは時間をかけて思い悩んでいたことを口にした。
【声が出ない、欠陥品の私は……もう用済みですか?】
「……誰がそんなことを……」
ティアナの言葉にアレクシスは思いきり眉を潜めていたが暫くすると微かに目を見開き、そして鋭く目を細めた。
「アネッサか……」
その名前に胸がズキッと痛むが目を閉じてやり過ごし、そっと頷いた。