無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
「地位欲しさに実の姉を出し抜き、必要な知識を身に付けようともせず暴れ、罵り、醜い姿を曝けだす。
そのような者が民の導たる王族に相応しいと本気で思っていたのか?」
「っ……私を騙したのですか?」
「騙す?なんのことだ」
「教育を終えたら私を婚約者にすると言っていたのに……最初からそのつもりはなかったと言うことですか?」
睨み付けてくるその顔を冷めた目で見下ろす。
あまりにも浅はかで愚かなこの女に引導を渡すときが来たようだ。
「一言も、婚約者にするとは言っていなかったはずだ。
それに、最初から教育が終えられると思っていなかったしな。
現に今、努力もせずに喚いているだけではないか」
「努力はしました!
必死に勉強も、礼儀作法もレッスンも受けました!」
「だが、全く身に付いていない。
教育に携わった者達の話では初めからティアナとは比べ物にならなかったらしいな」
「っ……!!」
悔しさに顔を真っ赤にして、震える手を強く握り締めているアネッサは言葉が出ずに、ただ此方を睨み付けるだけだった。
その様子に内ポケットから一枚の紙を取り出し広げて見せると、そこに書かれている内容を見てアネッサは目を見開いた。
そのような者が民の導たる王族に相応しいと本気で思っていたのか?」
「っ……私を騙したのですか?」
「騙す?なんのことだ」
「教育を終えたら私を婚約者にすると言っていたのに……最初からそのつもりはなかったと言うことですか?」
睨み付けてくるその顔を冷めた目で見下ろす。
あまりにも浅はかで愚かなこの女に引導を渡すときが来たようだ。
「一言も、婚約者にするとは言っていなかったはずだ。
それに、最初から教育が終えられると思っていなかったしな。
現に今、努力もせずに喚いているだけではないか」
「努力はしました!
必死に勉強も、礼儀作法もレッスンも受けました!」
「だが、全く身に付いていない。
教育に携わった者達の話では初めからティアナとは比べ物にならなかったらしいな」
「っ……!!」
悔しさに顔を真っ赤にして、震える手を強く握り締めているアネッサは言葉が出ずに、ただ此方を睨み付けるだけだった。
その様子に内ポケットから一枚の紙を取り出し広げて見せると、そこに書かれている内容を見てアネッサは目を見開いた。