無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
「ティアナ、返事を」
【は、はい!
シュトルツの名を新たに背負う者として、生涯支えることを誓います】
アレクシスに小声で促され慌てて返事をすると、国王は深く頷き高らかに宣言した。
「これをもってこの二人の婚姻は結ばれ、シュトルツの名に置いて生涯固く結ばれ、如何なる時も支え合い生きていくこととなる。
この場にいる方々には二人がシュトルツの名に恥じること無く生きていく様をしかと見守っていて欲しい」
その言葉にその場にいた全員が拍手をするとアレクシスと共に立ち上がり来賓の方へ体を向け、深々と頭を下げる。
数秒後、頭を上げると差し出されたアレクシスの腕に手を添えてゆっくりと歩きだすと後ろの方に座り号泣している宰相の姿が見えた。
国王から呼ばれ引っ掛かったティアナ・バルテンと言う名前、バルテンと言うのは一度だけ聞いたシュトルツ国の宰相の姓だった。
「孤児であり姓のないティアナが嫁ぐにはまず養子に入らなければならなかった」
小声で話すアレクシスに一瞬だけ視線を移すが、アレクシスは前を向いてゆっくり歩いたまま話を続けた。
「そんな中、ティアナを養子にと絶対に譲らなかったのが宰相だ。
……よほどティアナの事を気に入っていたのだろうな」
その言葉に初めて宰相とシュトルツ国へ来たときに機嫌よく手を繋いで歩いてくれたあの時を思い出し、涙がじわじわと浮かんできた。
「まだ泣くなよ、バルコニーから国民へ手を降るまでが儀式だぞ」
柔らかい声にティアナはしっかり頷くと真っ直ぐ前を見つめて胸を張り、アレクシスと共に拍手の中大聖堂を後にした。
【は、はい!
シュトルツの名を新たに背負う者として、生涯支えることを誓います】
アレクシスに小声で促され慌てて返事をすると、国王は深く頷き高らかに宣言した。
「これをもってこの二人の婚姻は結ばれ、シュトルツの名に置いて生涯固く結ばれ、如何なる時も支え合い生きていくこととなる。
この場にいる方々には二人がシュトルツの名に恥じること無く生きていく様をしかと見守っていて欲しい」
その言葉にその場にいた全員が拍手をするとアレクシスと共に立ち上がり来賓の方へ体を向け、深々と頭を下げる。
数秒後、頭を上げると差し出されたアレクシスの腕に手を添えてゆっくりと歩きだすと後ろの方に座り号泣している宰相の姿が見えた。
国王から呼ばれ引っ掛かったティアナ・バルテンと言う名前、バルテンと言うのは一度だけ聞いたシュトルツ国の宰相の姓だった。
「孤児であり姓のないティアナが嫁ぐにはまず養子に入らなければならなかった」
小声で話すアレクシスに一瞬だけ視線を移すが、アレクシスは前を向いてゆっくり歩いたまま話を続けた。
「そんな中、ティアナを養子にと絶対に譲らなかったのが宰相だ。
……よほどティアナの事を気に入っていたのだろうな」
その言葉に初めて宰相とシュトルツ国へ来たときに機嫌よく手を繋いで歩いてくれたあの時を思い出し、涙がじわじわと浮かんできた。
「まだ泣くなよ、バルコニーから国民へ手を降るまでが儀式だぞ」
柔らかい声にティアナはしっかり頷くと真っ直ぐ前を見つめて胸を張り、アレクシスと共に拍手の中大聖堂を後にした。