無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
「……深く考える必要はないのかも知れませんよ」
ナタリーの言葉に伏せていた瞳を上げると、ナタリーは真っ直ぐティアナを見つめ苦笑していた。
「貴族となれば、顔も合わせたことのない婚約者が幼い頃にはすでに決まっていて、気持ちのないまま結婚なんてざらにございます。
……うまくいかないこともあるかと思いますが、結婚してから気持ちが生まれることもあると聞きます」
【結婚してから……?】
「私の両親がそうでした。
結婚してからお互いを知り、何年もかけて気持ちが通じあったと。
もし、ティアナ様の心がまだ誰にもないのでしたら……殿下と気持ちを寄り添わせてみては如何ですか?
それに、今回はまだ婚約発表で結婚発表ではありません。
いつでも破棄することも可能です」
ナタリーは簡単に言ってのけるが、そんなに簡単ではないことはわかっている。
なのに、なんでもないことのように言い退けてティアナの気持ちを少しでも楽にしてくれることがとても嬉しかった。
ティアナは一度だけ手をぎゅっと握ると、思いきって口を開いた。
【もし、私に大きな秘密があったら……ナタリーや殿下……みんなは私を嫌いになるかしら……?】
ティアナの質問にナタリーは目を丸くするが、ティアナが泣きそうな顔をして見つめてくるのですぐに表情を戻し微笑んだ。
ナタリーの言葉に伏せていた瞳を上げると、ナタリーは真っ直ぐティアナを見つめ苦笑していた。
「貴族となれば、顔も合わせたことのない婚約者が幼い頃にはすでに決まっていて、気持ちのないまま結婚なんてざらにございます。
……うまくいかないこともあるかと思いますが、結婚してから気持ちが生まれることもあると聞きます」
【結婚してから……?】
「私の両親がそうでした。
結婚してからお互いを知り、何年もかけて気持ちが通じあったと。
もし、ティアナ様の心がまだ誰にもないのでしたら……殿下と気持ちを寄り添わせてみては如何ですか?
それに、今回はまだ婚約発表で結婚発表ではありません。
いつでも破棄することも可能です」
ナタリーは簡単に言ってのけるが、そんなに簡単ではないことはわかっている。
なのに、なんでもないことのように言い退けてティアナの気持ちを少しでも楽にしてくれることがとても嬉しかった。
ティアナは一度だけ手をぎゅっと握ると、思いきって口を開いた。
【もし、私に大きな秘密があったら……ナタリーや殿下……みんなは私を嫌いになるかしら……?】
ティアナの質問にナタリーは目を丸くするが、ティアナが泣きそうな顔をして見つめてくるのですぐに表情を戻し微笑んだ。