無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
豪華な絨毯に装飾品。
宮廷音楽団が音楽を奏でる中、たくさんの人々がダンスを楽しんでいた。
やがて音楽が止むと、室内に先程までとはまったく違う荘厳な音楽が鳴り響いた。
王と王妃の登場に、誰もが足や話していた口を止め壇上に向き直り深く頭を垂れる。
二人が所定の位置に立つと王から、頭を上げよ。との声がかかり皆がようやく王達をその目に写すことができた。
王の壇上から、今宵は楽しめ。といった口上を述べるのを聞き終わった後に普段にはないことが起こった。
いつもは王の一歩後ろで優雅に佇んでいる王妃が、数歩前に歩きだしたのだ。
全員が王妃の動向を見守る中、王妃は高らかに述べた。
「お楽しみのところ、暫しのお時間を頂戴致します。
この場をお借りして我が息子、シュトルツ国第一王子、アレクシス・シュトルツの婚約者をご紹介致しますわ」
その言葉に会場は一斉にざわついた。
シュトルツ国の安泰を喜ぶ者、王妃という地位を誰かにとられてしまったと歯噛みする者、多種多様な反応がおさまるのを静かに眺めていた王妃はまだ壇上に出てきていなかったアレクシスとティアナに目配せする。
宮廷音楽団が音楽を奏でる中、たくさんの人々がダンスを楽しんでいた。
やがて音楽が止むと、室内に先程までとはまったく違う荘厳な音楽が鳴り響いた。
王と王妃の登場に、誰もが足や話していた口を止め壇上に向き直り深く頭を垂れる。
二人が所定の位置に立つと王から、頭を上げよ。との声がかかり皆がようやく王達をその目に写すことができた。
王の壇上から、今宵は楽しめ。といった口上を述べるのを聞き終わった後に普段にはないことが起こった。
いつもは王の一歩後ろで優雅に佇んでいる王妃が、数歩前に歩きだしたのだ。
全員が王妃の動向を見守る中、王妃は高らかに述べた。
「お楽しみのところ、暫しのお時間を頂戴致します。
この場をお借りして我が息子、シュトルツ国第一王子、アレクシス・シュトルツの婚約者をご紹介致しますわ」
その言葉に会場は一斉にざわついた。
シュトルツ国の安泰を喜ぶ者、王妃という地位を誰かにとられてしまったと歯噛みする者、多種多様な反応がおさまるのを静かに眺めていた王妃はまだ壇上に出てきていなかったアレクシスとティアナに目配せする。