無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
「ティアナ、もし君の心がアレクシスにあるのなら俺は潔く身を引こう。
でも、そうでないなら俺にもチャンスをくれないか?」
【チャンス……?】
ティアナに応えるようにユアンはそっと一輪の赤い薔薇を差し出した。
ティアナはその薔薇とアレクシスを交互に見ると、アレクシスは頷いた。
取りに行けと、そう言われた気がして未だ震える足でゆっくり階段を降り、やがてユアンの前に立つとそっと薔薇を受け取った。
「一輪の薔薇の花言葉は“一目惚れ”。
俺は簡単にティアナを諦めきれない」
【ユアン、殿下……】
「王様!王妃様!そして、アレクシス殿下!
正々堂々とティアナの心を勝ち取る勝負をさせていただくことを許していただきたい!!」
その言葉に会場が一斉に湧いた。
王子二人が一人の女性を巡って争うその瞬間を目の当たりにして、興奮しているようだった。
そんな中、水を差すのは得策ではないと判断したようで、王妃は重く口を開いた。
「……いいでしょう、ユアン殿下とアレクシス、どちらがよりティアナ嬢の心を勝ち取れるかの勝負を許可します」
「有り難き幸せ」
さらに盛り上がる会場、壇上の上と下で睨み合う二人の王子、取り残されたティアナ。
戸惑いただ立ち尽くすティアナは、これが波乱の幕開けだということをまだ知る由もなかったーー。
でも、そうでないなら俺にもチャンスをくれないか?」
【チャンス……?】
ティアナに応えるようにユアンはそっと一輪の赤い薔薇を差し出した。
ティアナはその薔薇とアレクシスを交互に見ると、アレクシスは頷いた。
取りに行けと、そう言われた気がして未だ震える足でゆっくり階段を降り、やがてユアンの前に立つとそっと薔薇を受け取った。
「一輪の薔薇の花言葉は“一目惚れ”。
俺は簡単にティアナを諦めきれない」
【ユアン、殿下……】
「王様!王妃様!そして、アレクシス殿下!
正々堂々とティアナの心を勝ち取る勝負をさせていただくことを許していただきたい!!」
その言葉に会場が一斉に湧いた。
王子二人が一人の女性を巡って争うその瞬間を目の当たりにして、興奮しているようだった。
そんな中、水を差すのは得策ではないと判断したようで、王妃は重く口を開いた。
「……いいでしょう、ユアン殿下とアレクシス、どちらがよりティアナ嬢の心を勝ち取れるかの勝負を許可します」
「有り難き幸せ」
さらに盛り上がる会場、壇上の上と下で睨み合う二人の王子、取り残されたティアナ。
戸惑いただ立ち尽くすティアナは、これが波乱の幕開けだということをまだ知る由もなかったーー。