無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
「疲れはてるまで講義やレッスンに時間を費やさなくていいんじゃない？
どうする？ティアナがそれでシュトルツ国に嫁ぎたくないって言ったら」

それはそれで俺はラッキーだけど。と前菜を食べながらユアンが言うのをアレクシスは一瞥するだけに止めた。

「しかし、そうなればフライハイト国で嫁いでも同じことになりかねませんから、やはり嫁ぎたくないと思われるのでは？」

「フライハイトは自由の国だからね。
基本的は礼儀作法やマナーが備わっていれば気にする人達はいないよ。
誇り高いシュトルツ国の人達と違ってね」

この時点で俺の方が一歩リードかな？と挑発的に笑うユアンを見て、アレクシスはナタリーに、ティアナの講義とレッスンの時間を減らせ。と命じた。

実際、ティアナの時間がレッスンなどに費やされアピールが全くできないでいるのに多少の焦りもあったので、丁度いい機会だと思ったのだ。

「仰せのままに」

一礼してナタリーが食堂を出る。
恐らく明日からのティアナのレッスンの調整をしに行ったのであろう仕事の早い乳兄妹の背中を見送ると、アレクシスはユアンを見た。

「で、お前はいつまでここにいる？」

「んー？明日の夕方にはお暇するつもり。
だから明日は一日ティアナを借りるよ？」

フライハイトは自由の国、王子すらも自由すぎてたまについていけなくなるアレクシスは大きな溜め息をついたのであった。
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