無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
馬車を降りると人の多さにティアナは圧倒される。
クヴェルはのどかな地だったので泉を目当てに来る観光客もさほど多くなく、ここまでの人の多さに慣れてないティアナは目が回りそうだった。
最初にシュトルツ国に来たときははぐれてしまわないように宰相に手を繋いでもらったが……。
チラッとユアンの手を見てみるも、なんとなく手を繋ぐのは躊躇われたのでティアナははぐれないように必死でユアンに着いていった。
「ユアン殿下、またお忍びですか?」
「そうだよ。
内緒だから広めないでねー」
「ユアン殿下、アレクシス殿下との勝負はどんな感じです?
私、アレクシス殿下に賭けてるので負けてくださいよー」
「いや、俺の応援してよー」
一応変装の意味をこめて平民の姿をしているのに、頻繁に訪れているからかすれ違う人達に正体がバレていて普通に会話している様子にティアナは目を丸くする。
隣国の王子なのに慕われているようなユアンは本当にいい王子なのだろうと、ティアナは自国の王子として誇らしく思えた。
「ユアン殿下、そちらにいる女性がもしかして噂の方ですか?」
「そうそう、恥ずかしがりやさんだからあんまり見ないでねー」
とティアナを守るためだろうけれど正面から抱き締めてくるユアンにティアナは慌てふためいた。
駄目ですよユアン殿下ー。手が早いって嫌われますよー。とみんなが笑うもティアナは慣れない抱擁に顔が赤くなるばかりだった。
クヴェルはのどかな地だったので泉を目当てに来る観光客もさほど多くなく、ここまでの人の多さに慣れてないティアナは目が回りそうだった。
最初にシュトルツ国に来たときははぐれてしまわないように宰相に手を繋いでもらったが……。
チラッとユアンの手を見てみるも、なんとなく手を繋ぐのは躊躇われたのでティアナははぐれないように必死でユアンに着いていった。
「ユアン殿下、またお忍びですか?」
「そうだよ。
内緒だから広めないでねー」
「ユアン殿下、アレクシス殿下との勝負はどんな感じです?
私、アレクシス殿下に賭けてるので負けてくださいよー」
「いや、俺の応援してよー」
一応変装の意味をこめて平民の姿をしているのに、頻繁に訪れているからかすれ違う人達に正体がバレていて普通に会話している様子にティアナは目を丸くする。
隣国の王子なのに慕われているようなユアンは本当にいい王子なのだろうと、ティアナは自国の王子として誇らしく思えた。
「ユアン殿下、そちらにいる女性がもしかして噂の方ですか?」
「そうそう、恥ずかしがりやさんだからあんまり見ないでねー」
とティアナを守るためだろうけれど正面から抱き締めてくるユアンにティアナは慌てふためいた。
駄目ですよユアン殿下ー。手が早いって嫌われますよー。とみんなが笑うもティアナは慣れない抱擁に顔が赤くなるばかりだった。