無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する

暫くそのままユアンと二人で庭の様子を見ているとティアナがやってきて、少年となにか話したと思ったら野菜くずをもらい二人で餌をやり始めた。

たまに顔を見合わせて笑っているのを見て、おもしろくない。とそう感じていると、やがて二人がこちら気づき、少年は会釈をしてティアナは笑顔で手を降った。

「考えたくはないけどさ、ティアナが俺でもなくアレクシスでもなく、あの少年を選ぶ可能性もでてきたのかな？」

なんか楽しそうだし。と表向きは爽やかな笑顔でティアナに手を振るユアンを一瞥して、どうだろうな。とだけ答えた。

「……乱入しちゃおうか？」

どうする？俺は行くけど。と手を振るのをやめてすでに扉の方へ歩きだしているユアンを見て、もう一度、もうこちらを見ていない二人を見下ろしてから扉の方へ足を向けた。