無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
「僕がティアナさんを狙っているなんてとんでもないですっ!
殿下方の婚約者候補なのに畏れ多いですっ!」

全力で否定するオスカーにユアンは、そっかそっか、よかったよ。と機嫌よく絡みだす。

「オスカーはティアナが誰を選ぶか賭けた?」

「あ、えっと、失礼ながら誰にも選ばない方に……」

なんで俺の味方が少ないんだよ。と一人ごちるユアンを見てティアナが、賭けってなんですか?と聞いてきた。

「知らないのか。
ティアナが俺とユアン、もしくは誰も選ばないかの賭けが流行ってるそうだ」

【……みんな他人事ですね】

苦笑するティアナの頭を撫でるとティアナは頬を染める。

この様子を見ていたら、全く脈がないようには見えないが、果たしてどうなのだろうか……。

「俺としては、ティアナが選ぶのは俺であってほしいが……まだ気持ちは俺に向かないか?」

真っ直ぐ見つめるとティアナは目を泳がせ俯く。
覗きこむように顔を近づけようとしたら、後ろから襟を捕まれ引き戻された。
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