無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
簡潔に言えば、オスカーの言う不穏な噂は
“両国内の重大な秘密を握っているティアナがそれを使って脅し、皇太子妃の座を狙っている。
舞踏会でティアナを取り合う二人の王子というアクシデントがあったが、それはティアナが考えた市民からの関心を得るために仕向けた茶番だった”
「なるほどね、それが市民の間で広まってるってこと?」
「いえ、街ではまだ……僕も噂話を小耳に挟んだ程度で……」
おどおど、きょろきょろ、指は忙しく動いている。
その様子を見てユアンはにこりと微笑むと、火の無い所に煙は立たぬって言うからね。と呟いた。
その言葉を聞いてオスカーはバッと顔を上げると目を輝かせた。
「では、この噂は本当なんですか!?」
「なんとも言えないよ。
“両国間の重大な事”だからね」
わざと否定も肯定もせず、どちらかと言えば噂が合っているのでは?と思わずにはいられない言葉を臭わすとオスカーは何度も頷いた。
「そ、そうですよねっ。
僕も誰にも言いませんっ!お時間とらせてしまい申し訳ありませんでした!!」
「別にいいよ。
あ、でも一つだけ、その噂広めないでくれる?
“両国間の事”だから」
「はいっ!」
勢いよくお辞儀をするとオスカーは元来た道を走って去っていく。
その背中が見えなくなると、準備が終わった馬に跨がり駆け出した。
「おもしろいことになりそうだな……」
丁度失恋しそうでモヤモヤしてたし、ストレス発散に利用させてもらおう。
ユアンは馬に合図を送り猛スピードで走らせ自国に戻った。
“両国内の重大な秘密を握っているティアナがそれを使って脅し、皇太子妃の座を狙っている。
舞踏会でティアナを取り合う二人の王子というアクシデントがあったが、それはティアナが考えた市民からの関心を得るために仕向けた茶番だった”
「なるほどね、それが市民の間で広まってるってこと?」
「いえ、街ではまだ……僕も噂話を小耳に挟んだ程度で……」
おどおど、きょろきょろ、指は忙しく動いている。
その様子を見てユアンはにこりと微笑むと、火の無い所に煙は立たぬって言うからね。と呟いた。
その言葉を聞いてオスカーはバッと顔を上げると目を輝かせた。
「では、この噂は本当なんですか!?」
「なんとも言えないよ。
“両国間の重大な事”だからね」
わざと否定も肯定もせず、どちらかと言えば噂が合っているのでは?と思わずにはいられない言葉を臭わすとオスカーは何度も頷いた。
「そ、そうですよねっ。
僕も誰にも言いませんっ!お時間とらせてしまい申し訳ありませんでした!!」
「別にいいよ。
あ、でも一つだけ、その噂広めないでくれる?
“両国間の事”だから」
「はいっ!」
勢いよくお辞儀をするとオスカーは元来た道を走って去っていく。
その背中が見えなくなると、準備が終わった馬に跨がり駆け出した。
「おもしろいことになりそうだな……」
丁度失恋しそうでモヤモヤしてたし、ストレス発散に利用させてもらおう。
ユアンは馬に合図を送り猛スピードで走らせ自国に戻った。