無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
「だが、問題は“何故このような根も葉もない噂が出始めたか”だ。
市民には流れていなくとも、貴族の間では真しやかに噂が流れ始めていると聞く」
「それで、そんな女性に婚約者の座は渡せないと、今まで以上に令嬢達がアレクシスへの婚約への意欲を見せ始めていますよ」
その言葉にアレクシスがとても嫌そうに眉を潜めていた。
婚約者選びが面倒だから、私が連れてこられたのだったな……と数ヶ月前のことを少し懐かしく感じた。
「特に意欲的なのはブリュッケル公爵家ですわ。
元々婚約者として最有力候補であったクリスティーネ嬢がここ最近、何度も謁見を申し込んでいます」
もちろん、断っていますけどね。と続ける王妃。
「……貴族の誰かが故意にでたらめな噂を流して、それに便乗して婚約者の座を狙う者が再び増えたのでしょうか?」
「恐らくそうだろう。
そして、その噂の出所大体の調べはついている。
が、証拠はない」
王家の定めた婚約者に対する侮辱は王家への侮辱へも等しい。
たが、れっきとした証拠がなければ断罪も難しいので国王も頭を悩ませているようだった。
その場にいる全員が視線を落とし、最善の手を導きだそうと思案する。
その時ーー。
市民には流れていなくとも、貴族の間では真しやかに噂が流れ始めていると聞く」
「それで、そんな女性に婚約者の座は渡せないと、今まで以上に令嬢達がアレクシスへの婚約への意欲を見せ始めていますよ」
その言葉にアレクシスがとても嫌そうに眉を潜めていた。
婚約者選びが面倒だから、私が連れてこられたのだったな……と数ヶ月前のことを少し懐かしく感じた。
「特に意欲的なのはブリュッケル公爵家ですわ。
元々婚約者として最有力候補であったクリスティーネ嬢がここ最近、何度も謁見を申し込んでいます」
もちろん、断っていますけどね。と続ける王妃。
「……貴族の誰かが故意にでたらめな噂を流して、それに便乗して婚約者の座を狙う者が再び増えたのでしょうか?」
「恐らくそうだろう。
そして、その噂の出所大体の調べはついている。
が、証拠はない」
王家の定めた婚約者に対する侮辱は王家への侮辱へも等しい。
たが、れっきとした証拠がなければ断罪も難しいので国王も頭を悩ませているようだった。
その場にいる全員が視線を落とし、最善の手を導きだそうと思案する。
その時ーー。