あの日勇気がなかった私たちは~卒業の日~
しかし、ここで私の音楽人生は終わらせたいとも思っている。もちろんこの先もふとしたときに楽器を吹きたいと思うこともあるだろう。
でも、中学生の頃からずっと私には楽器しかなかった。
部活に入っていない子たちがアイドルの追っかけをしたり、いろいろな場所に出掛けたりしてたくさんの趣味を持っているのがうらやましかった。
もちろん吹奏楽部に入っていても、その気になれば趣味をみつけたりすることはできる。実際周りの子はそうだから。つまり自分は部活を言い訳に使っていたのだ。
でも私は不器用だから部活と趣味をうまく両立させられない。
だからこそ、ここで吹奏楽とはさよならをしたい。そしていままでしてこなかった沢山のことにチャレンジしたいのだ。
「莉子、やっぱり私もう吹奏楽やらない。大学ではほかのことに挑戦したい。バイトもしたいしね」
「そっか、それもいい選択だと思うよ。でもその前に大学に合格しないとね」
どんなに楽しい行事でも受験生に"受験"という言葉はつきまとうようだ。
私たち二人は顔を見合わせ苦笑した後、残りの演目を楽しんだのだった。
でも、中学生の頃からずっと私には楽器しかなかった。
部活に入っていない子たちがアイドルの追っかけをしたり、いろいろな場所に出掛けたりしてたくさんの趣味を持っているのがうらやましかった。
もちろん吹奏楽部に入っていても、その気になれば趣味をみつけたりすることはできる。実際周りの子はそうだから。つまり自分は部活を言い訳に使っていたのだ。
でも私は不器用だから部活と趣味をうまく両立させられない。
だからこそ、ここで吹奏楽とはさよならをしたい。そしていままでしてこなかった沢山のことにチャレンジしたいのだ。
「莉子、やっぱり私もう吹奏楽やらない。大学ではほかのことに挑戦したい。バイトもしたいしね」
「そっか、それもいい選択だと思うよ。でもその前に大学に合格しないとね」
どんなに楽しい行事でも受験生に"受験"という言葉はつきまとうようだ。
私たち二人は顔を見合わせ苦笑した後、残りの演目を楽しんだのだった。