あの日勇気がなかった私たちは~卒業の日~
「放課後ここで勉強するかな」

誰もいなくなった教室でつぶやく。

以前は二学期からは毎日放課後教室で勉強しようと莉子と約束していたが、その△は毎日塾。
一人で勉強をするしかない。
が、家ではどうも勉強に集中できない。
テレビやマンガ、お菓子など誘惑が多い。
そのためこれからは教室に残って勉強しようと思う。


「さあ、まずは英語からやりますか」

参考書とノートを開いた瞬間、


「ほんと信じらんない!!」

大声でぼやきながら教室に入ってきたのは

「愛・・・」

私の友人であり、クラスメイトでもある新藤愛だった。
愛は派手目な見た目の女の子。一見私と仲がいいとはみえない。
最初は関わりたくない部類の人だろうなと思っていたけれど、性格は姉御肌なところもあり、さばさばしていて付き合いやすい。
なんの縁か三年間ずっとクラスが一緒だったりする。


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