あの日勇気がなかった私たちは~卒業の日~
「ちょっと私トイレ行ってくるー」

そう告げて愛が教室を出て行く。

え、ちょっと待ってよ、話したこともない男子と二人きりにしないで!


愛がいなくなった途端沈黙が教室を包む。


「そういえば桜庭さんの恋愛ってあんまり聞かないよね。桜庭さんを好きな人はたまに聞くけど桜庭さんは好きな人いないの?」

突然話したことのない人に恋愛話を持ち込まれてあせる。

「えっと、私好きとか恋愛とかあんまりわからなくて・・・」


ごまかしようがなくて正直に白状する。

「あー、まずそもそもわからない感じなのか。まあでもそういうひともいづれわかるよ」

「ただいまー!」

そのタイミングで愛が帰ってきて話は終わる。

「そろそろ下校時間だよね。帰ろうか」


私と#は電車通学なため、正門のところで☆とは分かれる。

「じゃあまた明日」

「うん、また明日」

「ばいばい」


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