あの日勇気がなかった私たちは~卒業の日~
両親がレンタルショップで借りてきてくれたあるファンタジー映画。それが私と映画の初めての出会い。
ファンタジー映画なので魔法や現実ではいない生物などがでてくる。それらが架空のものだとはちゃんと知っていた。だけど私は魔法やユニコーンなんかよりも壮大で美しい景色に魅了された。

どこまでも広がる広大な森と青く透き通った湖。その美しさに感動した私はその映画についてとことん調べた。
そして映画の撮影地がヨーロッパにあることを知った。

ーーー世界にはこんなにも美しい場所がある

遠出をほとんどしたことのない私にとって、映画は世界を見せてくれる唯一の手段となった。
映画は家や映画館にいながらもたくさんの場所を知ることができる。

映画を初めて見た日から私は毎日映画を見るようになった。
はじめこそ、ファンタジー映画ばかりだったものの、小学校中学年になるとジャンルを問わずに見た。

中学、高校に進学し、吹奏楽部に入ったので毎日のように見ることはできなくなってしまったが、暇があれば映画館に通っている。

さすがに受験生の今は自重しているが。
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