あの日勇気がなかった私たちは～卒業の日～
「そういや聞いてなかったけれど澪、受験結果は？」

「ふふん、みごと第一志望に受かりました！」


駅までに帰り道、二人に聞かれて笑顔で報告する。

結果は昨日のお昼に発表された。発表されたときすぐに見たかったけれど、テスト中だったので見ることができなかった。試験結果が気になってテストに集中できなかった。きっとそれも受験あるあるだろう。


「すごいじゃん！澪が受けたところってかなりレベル高いよね？」

「うん、たしか全国にキャンパスがあるよね？」

「そうだよ、一番遠いのが鹿児島キャンパスだったかな」

私が合格した私立大学は日本各地にキャンパスのある巨大な大学だ。
春から私はその中心、都内のキャンパスに通うことになる。


「それじゃあ全員第一志望だね！」

「うん、合格祝いにぱーっと遊ぼうね！」

「もちろん！いつにするかまた連絡して決めよ」


そう約束して私は帰宅した。
今日はどうしても早く帰りたかった。実は両親が合格祝いに三人でご飯を食べに行こうといってくれたのだ。
家族そろってのご飯なんて久しぶりだ。さらに合格祝いにずっと欲しかった時計と本を買ってもらうことになっている。
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