あの日勇気がなかった私たちは~卒業の日~
「もう、みんなとお別れなんて早すぎるよ・・・」
今日という最後の日が終わっても、来週になればみんなとまた教室で会えそうだと思ってしまう。
(だめだめ、まだ式も終わってないんだから)
気を取り直して学校への道のりを進むと、桜の木に花が咲いていることに気づいた。
私の通ってきたこの高校は正門から昇降口まで両脇に桜の木が植わっている。
今年は例年より暖かいけれど、桜が咲くほどではないと思っていた。
なのに桜は満開、まるで私たちの門出を祝うかのように。
これでは四月に入学してくる子たちは葉桜になってしまっているだろう。
「卒業式に桜なんて珍しい。でもきれい」
おもわず一人でつぶやいてしまう。
それくらい桜はきれいだった。
あまりよくはないと思ったけれど、一輪枝から摘み取ってスケジュール帳に挟んだ。
両脇で咲き誇る桜を満喫しながら、昇降口に向かった。
教室に入ると、もう半分くらいが来ていた。
いつもはみんなホームルームぎりぎりにしか来ないのに、今日だけ早い。
そのことに苦笑してしまう。
何より寝坊の常習犯である愛がもう教室にいることが驚きだ。
「おはよ!澪」
「おはよう。今日は早いね」
「まあ最後だしね」
「・・・それを日常的にしていれば先生も困らなかっただろうに」
今日という最後の日が終わっても、来週になればみんなとまた教室で会えそうだと思ってしまう。
(だめだめ、まだ式も終わってないんだから)
気を取り直して学校への道のりを進むと、桜の木に花が咲いていることに気づいた。
私の通ってきたこの高校は正門から昇降口まで両脇に桜の木が植わっている。
今年は例年より暖かいけれど、桜が咲くほどではないと思っていた。
なのに桜は満開、まるで私たちの門出を祝うかのように。
これでは四月に入学してくる子たちは葉桜になってしまっているだろう。
「卒業式に桜なんて珍しい。でもきれい」
おもわず一人でつぶやいてしまう。
それくらい桜はきれいだった。
あまりよくはないと思ったけれど、一輪枝から摘み取ってスケジュール帳に挟んだ。
両脇で咲き誇る桜を満喫しながら、昇降口に向かった。
教室に入ると、もう半分くらいが来ていた。
いつもはみんなホームルームぎりぎりにしか来ないのに、今日だけ早い。
そのことに苦笑してしまう。
何より寝坊の常習犯である愛がもう教室にいることが驚きだ。
「おはよ!澪」
「おはよう。今日は早いね」
「まあ最後だしね」
「・・・それを日常的にしていれば先生も困らなかっただろうに」