あの日勇気がなかった私たちは~卒業の日~
「ほんとにいいの?九重さん」

「うん、構わないよ。困った時はお互い様♪」

…こういう所も人気の秘訣だろう。
私ならきっと名乗り出たりしない。面倒事は嫌いだから。


「では、とりあえず1人は新藤さんに決定ね。あとはまだ係が決まっていない人でじゃんけんしてください」

「「えーー」」

「最後まで負け続けた1人が呼び込み係ね」


先に係が決まっていて本当によかった

私はジャンケンが弱いからきっと負けていただろうし。


「うそっ、俺!?」

どうやら決まったようだ。


「はーい、呼び込み係は九重さんと一ノ瀬くんにしてもらう事になりましたー」

パチパチパチ

やる気のない拍手がおこる。


「…ところで一ノ瀬って?」

「え?澪知らないの?クラスメートだよ?しかももう二学期なのに」

…あまり周りに関心のない私は、クラスメートの顔と名前が一致するまでにかなり時間がかかる。下手すれば一年近く…
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