この恋の終わりは

プロローグ



――――「んっ…あぁっ」


狭い車内に絶え間なく
漏れる私の甘い声。


「ふっ…、可愛い。」


上に跨る彼の口から出た
在り来たりな褒め言葉。


「…もっと言って名前呼んで?」


手を伸ばし彼の頬に触れる。


私がそうねだれば
頬に触れた手に彼の手が重なり


「…美羽、可愛い。
誰にも渡したくないくらい。」


期待通りのセリフが返ってくる。


「俺だけ見て、俺に溺れて…。」






胸がときめく甘いセリフ通りに…



…なんてそんな言葉信じないよ。
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