この恋の終わりは
それに、多分からかってるだけだと
思っていたから
連絡する勇気はなかった。


いかにもモテそうだし、
社内でもきっと人気だろうし、
本気だとは思えなかった。


なのに今日突然お店に来て
あの、真っ直ぐな瞳に捕らわれてしまったのだ。


「…と言う事なんです。」


ぼそぼそ話す私の声に
最後まで耳を傾けてくれて
「うん。」と一言頷くと


「美羽ちゃん、
きっと彼に恋し始めたんだね。」


「…え!?」


思ってもみなかったことを言われた。


だって、恋って…。
この前のたった数十分会っただけなのに
そんなわけ…


「今、会って間もないのにとか
考えたでしょ。」


「うっ…。」


見事頭の中を読まれギクッと後ずさり。
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