この恋の終わりは
そう手招きされたけど、
男の人の車に乗るのは
ちょっとだけ抵抗があった。
だからその場で動けずにいると


「そんな捕って食おうなんて
思ってないから大丈夫だよ。」


またクスクスと笑われてしまい、
変な事を考えてしまった自分が
恥ずかしくなったので、
何ともないふりをして車に乗り込んだ。


「あ、美羽ちゃんが望むなら
俺は大歓迎だけどね?」


だけど、車に乗った瞬間に
小川さんはそんなセリフと共に
妖艶な笑みを浮かべた。


「…へ!?」


思わず身構え
ドアぎりぎりまで体を寄せると


「嘘だからそんな怯えないで?
とりあえず今日は
俺の事を知ってもらおうと思って。
だからご飯でも食べに行こう。」


今度は爽やかな笑みを浮かべ
ゆっくりと車を走らせた。
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