この恋の終わりは
「着いた。降りて。
お店すぐそこだから。」


車が停まったのは
狭いパーキング。


人通りも少なく
どうしても構えてしまう。


びくびくしながら
車を降りると


「だからそんなに怯えないで?
俺の友達の店だから大丈夫。」


友達の店って…。
そこがまた何とも言えない
不信感を抱かせた。


「ついてきて。」


厚い壁を作った私を
面白がるように見ながら
歩き出した。


一歩後ろを歩いていくと
1分も経たないうちにお店に着いた。


「どうぞ。」


木で作られた
アンティーク調のドアを
サッと開けてくれて
中へと誘導する。


「失礼します…。」


ゆっくり中へ進むと


「いらっしゃいませ。」


カウンターから顔を出したのは
当たり前かもしれないけど
小川さんと同じくらいの年齢の
爽やかなバーテンさん。
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