この恋の終わりは
「美羽ちゃん!これ8番ね。」


「はーい!」


マスターに呼ばれて
せかせかと頼まれた品を
テーブルまで運ぶ。


今日も相変わらず忙しい…。


でも、やっぱりこの仕事は好きだから
頑張れるんだよね。


「美羽ちゃん!」


8番テーブルへ運び終わると
後ろの方から呼ばれ
そのテーブルまで急ぐ。


「はい、ご注文はお決まりですか?」


そのテーブルにはよく知っている顔が1つに
知らない顔が2つ。


「鈴木さん今日もいらして下さったんですね。
ありがとうございます。」


彼はこのお店の常連で
近くの商社で働くサラリーマン。
30歳独身、会社では信頼されていて
将来安泰。
だから優良物件なんだとか。


これは本人情報だから
正確かどうかは分からないけど
悪い人ではない。
顔も一般的に見ればイケメンだと思う。


でも…


「もちろんだよ。
毎日美羽ちゃんに会いに来るから。
って事で俺の彼女にならない?」


そう。毎日来てくれるのは
有り難いんだけど
来るたび来るたびこんな事を言われている。

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