この恋の終わりは
その瞬間、
彼の腕が私の腰へと回って
引き寄せられた。


今にも唇が触れそうな距離で


「やばい、キスしたい。」


吐息交じりの声が耳に届いた。


私はそれに返事をせず、
代わりに自分から唇を重ねた。



軽い女だと思われたかなと
心配になったけど、
彼は驚く様子もなく、
むしろこうなることを分かっていたかのように
満足げに口角をあげ、
今度は彼から唇を重ねてきた。



次第にそれは深くなっていき
わずかに開いた隙間から
舌をねじ込んできた。


何度も角度を変え、
水音が静かな部屋に響く。


それからどれほど時間が経ったのだろう。


銀の糸を引きながら
温もりは離れていき
代わりに手を引かれ立ち上がった。


そのまま寝室へ連れられ
少し強引に押し倒された。
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