この恋の終わりは
「送るよ。
少しでも長くいたいから
歩いて行こう。」
そう言われたのは
行為をしてから
たった30分後の事だった。
きっとこの時から気付いていた。
でも、気付かないふりをしていた。
明日、きっと何か用事があるから
早めに寝たいだけ。
もしかしたら
それが仕事かもしれない。
だからこんなに早く帰るんだと。
そう自分に言い聞かせて
彼の家を後にした。
***
「送ってくれてありがとうございました。」
私の家に着き、
頭を下げると軽いキスをして
彼は帰っていった。
部屋に戻り、
荷物を放り投げ
一直線にベットへ体を投げ出した。
久しぶりに感じた
人の温もり。熱さ。吐息。
でもそれは虚しくて、
だけど愛しくて手放せなくて、
彼の感触を思い出しながら
自分を抱きしめながら眠りについた。