この恋の終わりは
彼は私には気付いていないみたいで
2つの服を持って
女の人と試着室へと向かって行った。


私は衝動的に
2人の後を追い、
ばれない様に身を潜めながら
試着室へ近づいた。


「紗那、まだ~?」


「待ってもうちょっと!!」


たった二言。


なのに2人は親しい関係だという事が
伝わってきた。


だって、小川さんの話し方や
声のトーンが
私に接する時とは全然違い
砕けているようだったから。


だけど、私の頭はいい方にばかり考えてしまう。
もしかしたら
お姉さんの買い物に付き合ってるのかもしれない。
呼び捨てで呼び合う姉弟もいるはず。


きっとそうだ。


そう自分に言い聞かせて
もう一度彼に視線を戻すと、
淡い水色のワンピースに着替えた
紗那さんと呼ばれた女性が
試着室から出て来ていた。
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