この恋の終わりは
「ね、どう?」


くるっと一周回って見せる姿は
誰もが見惚れてしまうほど
美しかった。


もちろん彼も例外ではなくて


「すっげー似合ってるよ。」


柔らかい笑みで彼女を褒めると





触れるだけの軽いキスを
彼女の唇に落としたのだった―――



今見た現実を受け入れられず
その場から飛び出した。


今日、彼からの連絡が来るのを
本当はずっと待っていた。


でも、そんな誘いが来ないのは
当たり前だ。


だって本命の彼女がいるのだから。



本命だと分かるのは
彼がここへ出かけてきているから。
私が3回とも会ったのは
夜に彼の部屋で。


求められることが
喜びだと勘違いしていた私は
彼の本心を見破ることが出来なかった。
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