この恋の終わりは
言われるがまま
あとをついていくと
歩いて5分もしないうちに
お店へと着いた。
「まだ開店前だから
気にしないでゆっくりして。」
池上さんの言葉通り、
店内にはお客さんの姿はなく、
照明も以前来た時よりも明るく
雰囲気はなかった。
すみませんと言いながら
カウンターに腰かけると
コーヒーカップが目の前に置かれた。
「あったかいミルクティー。
冷たいのが良ければ
氷入れるよ。」
と気を利かせてくれた。
「大丈夫です。
ありがとうございます。」
バーテンダーさんって仕事は
人を見る目が肥えるんだろうな。
私は今、暑い外の気温に反して
温かいものが飲みたいと思っていた。
それを何も言わずとも分かった池上さんは
すごいと思う。