この恋の終わりは
瞬間的に
小川さんかと思ったけど、
さっきの光景を思い出して
それはないと心を落ち着かせ
スマホに手を伸ばした。


画面に表示されたのは


「あかりさん…?」


今日はラストまで
シフトに入っているはずの
あかりさんの名前だった。


「もしもし…?」


不思議に思いながらも
通話ボタンを押すと
「あ!美羽ちゃん!」と
元気な声が耳元で聞こえた。


「どうしたんですか?」


『今日思ったよりも
お店暇でさ!早く上がったの!
だからこれから呑みに行かない?』


まさかのお誘いだった。


普段、そんなに
お酒を呑む方ではないけど、
今日ばかりはあかりさんの誘いに乗った。



お酒に頼って
辛い出来事を忘れてしまいたかったから。
< 69 / 94 >

この作品をシェア

pagetop