この恋の終わりは
小さく呟かれた声に
「いいんです」と答えた。


「ほら、初恋は叶わないって言うし
そもそもあんな素敵な人に
恋人がいない方が不思議ですよ。」


「本当に素敵な人?
それなら彼女がいるのに
美羽ちゃんに手出したりなんか
しないと思うよ。」


あかりさんの言葉は
正論過ぎて何も言えなかった。



しばらくの沈黙の後。
あかりさんが優しい声で言った。


「美羽ちゃん、
初めて美羽ちゃんが恋した事は
すごくよかったと思ってる。
でも、彼は運命の相手じゃなかったんだよ。
だから…」


その先の言葉は分かってる。
”やめな”って。
だから言われる前に言葉をかぶせた。


「やめます。
ちゃんと終わりにします。」
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