この恋の終わりは
1人そんな事を考え込んでいると
ふと背後に温もりを感じた。
「美羽?」
名前を呼ばれた瞬間
心臓が激しく音を立てた。
…この人はずるい。
まるで私の全てを分かって
どうすれば私が離れて行かないか
分かっているみたい。
だって、呼び捨てで名前を呼ばれたのは
これが初めてだったから。
そんな愛しそうに呼ばないで。
その気なんてないくせに…。
勘違いするようなことしないで…。
彼にドキドキしている
心臓をおさめようと
大きく深呼吸をして
彼の腕の中から逃れた。
一歩離れ振り返ると
不思議そうな顔をして立っている
小川さん。
そんな彼の目を真っ直ぐ見つめて
「…私、小川さんが好きです。」
そう伝えた。