この恋の終わりは
理性との葛藤


『美羽、今日来て。』


仕事終わりに入った一通のメッセージ。


もちろん広翔からのもの。


ここ一か月で私たちの会う頻度は
前に比べて格段に増えていた。


多い時で1週間に2.3回。



そして会えばすぐに



「…んぁっ」

「まだダメ。」

「も…ムリ…っ!」

「ダメだって、上来て。」


前とは違う、一方的で意地悪な行為。


この行為に”愛”なんてものは
一切存在しない。

ただの性欲処理でしかないのだ。


だけど、それでもいいから
身体だけでもいいからそばにいたい
そう願う私はやっぱり馬鹿なんだろう。


「…美羽。」


彼が果て、私の体をきつく抱きしめる
この癖だけは前とは変わらない。


この瞬間だけ、私は心がすごく満たされる。


彼に大事にされている、と
そんな錯覚に陥るから。

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