この恋の終わりは
「じゃあ、また。」
一言、お決まりのように
そういった唇が私のものと重なる。
お別れの合図。
「うん、また…。」
惜しげも無く帰っていく
広翔の背中を見送りため息が出る。
また…はいつ来るんだろう。
明日か明後日か来週か。
いつまでもこの"また"を断れずにいる自分が
情けない。
だけどその"また"を
それ以上に期待している自分がいる。
「あ~…、もう!!」
自分以外誰もいない部屋に向かい
叫んでみても何も変わることは無い。
虚しく響く声の後に残るのは
結局会いたいと願ってしまう
ずるい心だけで、
罪悪感なんてものは
これっぽっちも感じてはいなかった。