秘書になりまして。
ぽかんと、どうしていいかなんて思っていると今度はソファーに座っていたもう一人が立ち上がって、これみよがしに私を下から上にまるで品定めでもするように見る。



うわぁ、こちらも名刺をくれた人とはまた違ったキラキラ星人だ。
二人とも本当に綺麗な顔立ちで……あれ、この二人どっかで見たことあるようなぁ…。



「これが、俺らの兄妹?
兄さん本当にこんな奴を秘書にするの?」


「しょうがないだろ。父さんの命令なんだから」


急に二人の態度が変わったと思うとそんな訳のわからない言葉を発する。




「吃驚するだろうし、すぐに理解しろとは言わないけど。
君は、父さんの婚外子らしくて、僕らの兄妹なんだって。
ずっと探してたらしいんだけど、中々見つけられなくて君のお母さんが亡くなる時に親父に手紙をよこしたらしくてね。
君の事頼むってさ。それで僕らは父さんの命令で今日きた訳。だからついてきてもらえる?」



もう社長さんとは話ついてるし、詳しい事をここで話すのも難でしょなんて言われてポンと背中を押されて部屋を出るように促される。


「えっ、いや、えっでも…」


訳がわからなすぎて、何を発していいかもわからないまま、言葉を濁して足を止めると。


「あ、ちなみにお前に拒否権ないから」


なんて言われてもう一人に手を掴まれて、部屋から連れていかれてしまう。
その際にパートの間柴さんや、社長やら、社員の皆さんは満面の笑みで手を振っていて何事!?と思いながらも片方のキラキラ星人が挨拶をしてから私たちを追いかけてきて……、



「早く乗ってもらえる?」


そういって車に詳しくない私でもわかるような高級車に半ば無理やり乗せられてしまう。




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