スイート ジャッジメント 番外編
どうしたらいいのかよく分からないし、この先の事は輪をかけてよく分からない。でも、キスが終わるのは……名残惜しい。
「だから……とわ 可愛すぎだってば。……部屋にいるとダメだな、これ。外行こっか」
湊は私を膝から下ろすと、机に置いてあった本を手にして立ち上がると、私にその本を手渡してきた。
「これ、兄貴のトコから持ってきたんだけど読んでみる?」
視線を落とすと、それはバスケットボールの教則本。比較的低年齢の小学生高学年から中学生位をターゲットにしているもののようだった。
湊は床に転がっていたバスケットボールを手にすると私を外へと促した。
「湊、バスケ得意?」
「まぁ、体育でやる分にはそれなりに?兄貴いた頃は2人でやってたしね。超ハンデ付けてもらってたけど。俺の1点=兄貴の5点分とか」
そう言いながら湊は手にしていたボールで難なくシュートを決めた。
「うちの兄貴大人げなかったから、全然手加減してくれねーの。
とわ、とりあえずそこから打ってみてよ?」
湊の投げたボールはワンバウンドして私の手元へやってきた。
ゴールリングを見上げて私が投げたボールはゴールに届かずに落ちて、ぷはっと湊が吹き出した。
「ごめん……届かないとか可愛いから」