スイート ジャッジメント 番外編

「……腕が疲れた」

 慣れない動作を続けたので腕がだるい。こんなに1人でひたすらシュート練習なんてしたこと無かった。ちなみに湊はボールを拾ってくれつつ自分も投げて、9割方シュートを決めていた。湊が何本シュートを決めたかは……数えてないっていうか、数えたくない。

「じゃあ本でも読む?」

 湊はカーポートから玄関へと続く階段に座って、持ってきていた教則本をパラパラ捲る。

「読んでもわかんないけどね」

「えー」

「だってほら、レイアップとか、とわ無理じゃない? そもそもここまで飛べないでしょ? 言われてもその通りに身体動く訳でもないじゃん? この辺は、もっと継続的な練習が必要」

 付け焼き刃じゃむり、と湊。それは確かにそうですけど。

 湊の隣に座って湊が見ているのをのぞきこむ。写真が並んでいるのを見ても……その通りに体が動く訳でもない。

「俺、とわにどんなに説明されても字上手くなんないしね」

 それと一緒、と湊は笑って私の頭をポンポンと撫でた。

 ちょっと休憩を挟みながら湊とボールで遊んだり、練習したりしながらゆったりと時間が過ぎていく。

「そろそろ親帰ってくるかな。バスケやりたいから、車どかしてって言ったから。
 小学生の頃かな。兄貴とここで遊んでて、車凹ませて怒られたんだよね。チャリぶつけた事もあったし」

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