スイート ジャッジメント 番外編

 しかも、湊と私だから……。去年の文化祭を時間短縮させたり、救急車まで呼ばれるような騒動にした私たちだから……目立つのは少し、気が引ける。

「大丈夫だよ、見慣れたから」

「そそそ。桜庭は脳内で空気に変換してるから」

 しれっと言うのは、美久ちゃんとちぃちゃんこと茅ヶ崎さん。

「美人は三日で慣れるって言うけど、アホも、イチャつくバカップルも三日も見れば慣れるもんなのね」

「うっさいよ、茅ヶ崎」

「てか、桜庭。あんたわざとやってるでしょ」

「ん?」

「変な噂流されてたから、わざと堂々ととわに構ってるでしょ」

「当たり前じゃん」

 ……ええ、そうなの? わざとなの?

「ずっと触ってたいのも本音だけど」

 大きな手がふにふにと私の頬を摘む。……恥ずかしいから、そういうこと言うのやめて。

「変に反感買わないようにしなさいよ? あんた目立つんだから」

「どうやったら反感買わないとかわかんないけど」

 ちぃちゃんと一応まともに話しながらも、湊は膝に私を乗っけたまま。私の身体はその長い腕でしっかりホールドされていて、耳元で響く湊の声が擽ったくて、身体の芯がざわざわして身体を捩る。

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